もう一度、最初から
モッツァレラチーズとフルーツトマトと生バジルのあげ春巻き…から、バジルだけ、引っ張り出そうとしてはぶちぶち切れるそいつに、イーーーーーとなっている那奈に、また1から説明するのも面倒なので、とりあえずあたしも食べる事にした。

婚約破棄になっても、那奈のように一生頑張ってやっていける仕事に就いていたら、こんなにボロボロにならなかったのかな?

あたしは、ダサいエノキ店長の下、コンビニのバイトで食いつなぎつつ、また適当に条件のいい働き口を探すんだ…。

何だか、空しい。

地元の空気感のせいか、

『自分の未来』に少なからず期待をしてキラキラしていた昔の自分をよく思い出す。

あの頃は、怖いものなんてなかったな…。
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