もう一度、最初から
とりあえず、言われた通り、モップをかけていると妙に視線を感じて、ふと見上げると、千波ちゃんがカウンターの中からあたしを思いっきり見ている。

「…ど、どうかした?」

「…朱里さんって…」

ちょっとちょっと。ババアだとでも?
そりゃーアナタ、10代には敵うわけないじゃない?
つーか、エノキ同様、あっさり『朱里さん』呼びしてますけど?

ついつい身構えてしまう。

「キレーですねぇ」

…あれ?

拍子抜け。キレイだなんて…まぁよく、言われてきましたけど…。
って、大人だから勿論言わないよ?

「そんなことないよー、肌とかボロボロだし。いいなー、若いって」
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