もう一度、最初から
「ハイハイ、分かってますよー。そりゃ、勿論、遊びで付き合っているわけじゃないし……」


もう。

聞きたくない……けど、聞きたい、みたいな。

何か言わないと怪しまれる気がして、言葉を重ねるあたし。


「そりゃそうだよね!あたし、あんなにかわいくて完璧な人、久しぶりに見たもん」


「…まー僕の好みとはちょっと違うんだけど」

「何様ー?!バチ当たるよ、本当に!付き合ってくれてるだけでも感謝しなさいよ、あんなかわいい人」


ふふ、と笑う気配がする。


「僕ねー、高校生の頃、朱里さんが好きだったんだ」





……え?

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