不器用男子の告白の仕方。
「よし、じゃー20分休憩!」
ゲームが終わって、監督からそんな指示が出る。
(そろそろ、帰ろうかなぁ)
暗くなってきたし。
それにしても、何で五十嵐は今日、練習見に来いなんて言ったのかなぁ。
そんなことを考えながら、スマホで時間を確認していると
「…中入れよ」
「い、五十嵐!」
いつの間にか、タオルを持った五十嵐がすぐ後ろに立っていた。
「…どう、だった?」
そして少し、緊張した声で聞いてくる。
「見てた、だろ?」
「あー…うん。
まぁ…がんばってたじゃん、五十嵐にしては」
素直に“かっこよかったよ”って、
言えたらいいのに。
…どうしても五十嵐を前にすると
素直になれない。
棘のある言い方をしてしまう。
でも、五十嵐は特に気にしてないようで
「ずいぶん上から目線だな、ブー子のくせに」
いつものように笑った。