不器用男子の告白の仕方。





教室に着いても



あたしに「一時間目の数学の予習やってない!」なんてことに頭を悩ませてる暇はない。




ひたすらクラスの男子を観察。



スマホで熱心にアイドルの名前を検索してる奴



バスケットボールを投げ合って遊んでる奴



朝っぱらから寝てる奴…




こう、ラブレターを送った日の朝くらい




チラチラと、ことらを窺う男子がいてもよさそうなものだが




あたしを気にかけてる様子の男子なんて一人もいない。





「おかしいなぁ~」





「おっはよ~、何こわい顔してるの?」




そのとき、親友のひよりが登校してきた。



白い肌にぱっちり二重の大きな目。



背中まである緩くパーマをかけた茶髪は完璧に校則違反だが、文句なしに、ひよりによく似合っている。




「おはよーひより。
実は…」




あたしはさっそく、ひよりに今朝のことを話し始めた。




ちなみに、ひよりはあたしの一つ前の席。







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