不器用男子の告白の仕方。
「えぇっマジで!?」
「うん!で、これがそのブツです」
あたしはひよりに、差出人不明のラブレター(?)を見せた。
「ふ~ん、汚い字だなぁ~。
ほんとに名前ないね」
「そうなんだよ。
で、さっきからこのクラスの男子を観察してるんだけど、
あたしを好きそうな男子なんて一人も…」
「え~?」
ひよりが少し驚いたような顔をして首をかしげる。
「いるじゃん、一人」
「えぇ!?誰だ…「よぉ!ブー子!!」
ズシンッと肩にのしかかる重み。
振り向かなくても、
あたしをブー子なんて呼ぶ奴は、クラスに一人しかいない。
「バカ五十嵐!
あたしは楓子(フウコ)であって、ブー子じゃないっ!」
肩に置かれた肘をどかしながら怒鳴ると
ハハッと心底楽しそうに、今日も学ランを中途半端に着崩した五十嵐が笑った。
「そうだっけ?」
「そうだよっ!ってか、毎朝毎朝ウザイ!」
「おまえが、俺の視界に入ってくるからだろ?」
「はぁ?」
何それ!?と言い返そうとしたところで、五十嵐は「お、室谷~」と友達のところに行ってしまった。
何しに来たんだ!?