不器用男子の告白の仕方。




「あたしが五十嵐に言いたいことなんてそれしかないけど?」




…まさかコイツ、あくまで俺から、言わせるつもりか!?





「おまえな…。

はぁ…わかった。じゃぁ、俺に聞きたいこと、あるだろ!?」




俺は引かねーからなっ!



そんな強い決意と期待を込めた目で、長澤を見る。





ほら、言えよ。


そしたら、俺は…!!!





「五十嵐はさ」


「お、おー」



ほらっこい!!




「なんであたしにばっかり、無駄絡みしてくるの!?」




は…?



なんだ、それ…。



頭の中がハテナマークでいっぱいになる俺。




何で今、その質問?



しかも何でちょっと怒ってんだよ。




答えなんて、そんなの



ひとつしかねーし…。





“長澤が好きだから”





じーっと、アイツのクリクリした瞳が、俺を見つめる。





…こ、こんなにコイツから見つめられたの、はじめてかも……





意識してしまった途端。


顔に血が全部集まったみたいに、カーッと、熱くなって。





「じ…自分で考えろっ!!!」




俺はそれだけ叫んで、逃走した。






< 62 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop