不器用男子の告白の仕方。
「五十嵐…そんなに難しいか?」
「はい…難問っス」
1時間目、数学。
頭を抱える俺に、先生が声をかけてくる。
「あとで答え合わせするからな」
「はい…」
答え…なんて…あるのかよっ!!!
バンッと机を蹴り飛ばしたい衝動を、俺は必死に抑えた。
俺が頭を抱えてるのは、もちろん数学の問題がわからないから、なんてことじゃない。
アイツがたぶん…
ラブレターの差出人にまだ気づいてないってことが、分かってしまったからだ。
くそー、あの鈍感女~。
俺はなぜかキョロキョロ辺りを見渡している、集中力のない長澤を軽く睨んだ。
じゃぁなんでSHRの時俺のこと見てたんだよ。
紛らわしいことすんな、ボケッ!!
ふっ…でもまぁ、いい。
俺は無理やり、余裕の微笑を浮かべる。
まだ手はある…
こんなこともあろうとな!!!