不器用男子の告白の仕方。





「おいブー子」




俺はある“秘密兵器”を握りしめ、再びアイツの席に向かう。





「おまえ英語の課題、やってきてねーだろ」



「え…課題なんてあったっけ!?」




目を大きく見開く長澤。



やっぱりな!!!




「み…見せてやってもいいけど?」



俺は慌てるアイツに、秘密兵器をチラッと見せた。




そう…“予習済英語のノート”!!




珍しく徹夜で課題をしてしまったぜ。





長澤は別に不真面目なワケではないが、基本ボーッとしてるからな。



課題もよく忘れる。




そこを利用したというわけだ!賢いぞ、俺!!!





すると何を思ったのかアイツは





「五十嵐…熱でもあるの?」





そんなトンチンカンなことを言って、いきなり額を触ろうとしてきた。





「ばっ…ちっげーよ!」




何でそうなんだよ!?




「つーか見るのか見ないのか、どっちだよ?」




イライラしながら言うと




「…し、しょーがないなー…

そこまで言うなら見てあげるよ」




はぁ!?何様だおまえは!!!


「見せてくださいお願いしますだろ!?」と言ってやりたいところだが、

一刻も早くコイツにノートを見せたい俺は




文句をグッと飲み込み、ノートを差し出した。





大人になったぜ、俺!!!!






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