不器用男子の告白の仕方。






「…べ…別にあんたに関係ないし」




結構勇気を出して聞いたっつーのに、ツンとしながら答える長澤。




くそーコイツ、ラブレターのこと俺には言わないつもりだな!?




どうやって聞き出してやるかと、頭をフル回転させていると




「楓子、ラブレターもらったんだよ~♪」




長澤と仲が良い高木が、あっさり教えてくれた。




つーか、すげーニヤニヤしてるし、高木。




こいつ絶対気付いてんな…



やっぱり俺の気持ちはいつもバレバレか。






…本命以外には、な!!!





「へー…あ、そう。ラブレター…ふーん」




さも、知らなかった!という感じを装う俺。



俺はこう見えて演技派なんだよ。





「…で?送り主は?」



「…知らないっ。
ていうか、たぶんイタズラだし。
もう忘れるからいいの!」




よっぽど俺に知られたくなかったらしい長澤は、早口で捲し立てるように言う。




…って。





「イタズラじゃっ……!」





ねーよ!!!





…でも、ここでこんなこと言ったら



俺からバラしたも同然で。





「…え?なに?」



「……なんでもねー」





イタズラであんな恥ずかしいことするか、バーカ!!





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