不器用男子の告白の仕方。





「っていうか…だから、五十嵐があたしのこと好きなわけないじゃん」




好きだったらブー子とか呼ばないでしょ。

朝っぱらから「あれ?鼻低くなった?」とか言わないでしょ!?(昨日言われた)




あ~くそ、今思い出しても怒りが…





ひよりはまだ何か言いたそうだったけど、チャイムがなって、一旦この話はおしまいになった。




SHR中…



改めてクラスを見渡してみるけど、やっぱり思い当たる人物なんていない。




そもそもあたし、男友達とか、あんまりいないしなぁ…




話すのだって五十嵐くらい…



バチッ




まるで心を読まれたかのように、振り向いた五十嵐。



目と目が合う。



そして、パクパクと口を動かして…




“バーカ”




は、はぁ!?




五十嵐だけには言われたくない。




できるのは体育だけで、テストじゃ追試の常連なクセに!





「黙れハゲ!」



「なに!?もっぺん言ってみろ長澤!」




うわー!思わず五十嵐への暴言を口に出してしまった!



教壇では、最近頭が薄くなってきた担任の先生が、真っ赤な顔して怒っている。





「い、いえ…!決して先生のことを言ったわけじゃなくてですね…!!」



チラ、と五十嵐を見ると、肩を震わせて爆笑していた。



あいつ~!!






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