不器用男子の告白の仕方。




「ブー子じゃなくて楓子!」と律儀に前置きしてから




「…あのさ」



なんだか言いずらそうにモジモジしている長澤。




「…なんだよ?」



気になって仕方ないのに、何でもない風を装っている五十嵐。



コイツは演技がド下手くそなことに自分で気付いていない。





「…日曜、応援行くから」




その瞬間、五十嵐の顔がパァッ!と輝き




「……そーか!ま、好きにすればァ」




…コイツ…つい今までショックで死にそうになってたくせに。




しかしニヤける口元は全く隠せてないけどな。




「お、お姉ちゃんと買い物は、いいのかよ?」



「うん…まぁ、お姉ちゃんとは、またいつでも行けるし。


県で負けて、後であたしのせいだ!とか言われても困るからね!」





すると五十嵐は、ニッと笑って





「…負けるか、バーカ。



仕方ねーから連れてってやるよ、全国!!」






さっきまでの白い灰・五十嵐の姿はもうそこにはない。




…ほんと、単純な奴。






「絶対連れてってやるから…


だから、つ、ついて来いよ!!!」



「…えっらそうに」




そう言いつつ微笑む長澤は



とても、幸せそう。







……まぁ、いっか。



コイツらにはコイツらのペースがあるみたいだし。




傍観者は、黙ってベンチで




見守ってることにしよう。










☆おまけ 終













< 95 / 95 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:206

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

花岡みやびの野望とそれに伴う隣人Aの葛藤。

総文字数/41,750

恋愛(ラブコメ)102ページ

表紙を見る
押し倒して、鼻先にキス。

総文字数/15,183

恋愛(ラブコメ)33ページ

表紙を見る
もっと俺を欲しがって?

総文字数/26,553

恋愛(ラブコメ)71ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop