もう一度
たったったったっ…という音が聞こえて、亜琉愛が隣に立った。
「涙、先輩達と仲良くなったんだね」
あたしの顔を覗き込みながらそう言った。かぁっと顔が赤くなるのがわかった。別にそういう意味じゃないって分かってた。分かってたけど、なんか恥ずかしかった。そんな風に考えてしまう自分が恥ずかしかった。
「仲良くないよ、別に。」
冷静なふりをしたけど、心臓はばくばくいってた。なんだこれ、なんだこれ、なんだこれ。
あたしは俯いて、定期を改札口に当てた。
「そう…なんだ。」
なんとなくひっかかる言い方が気になったけど、今口を開くと余計なことを言いそうだから、
あたしは黙っていた。
自分の心を制御した。