もう一度


「なに見てんの⁇」

先輩はグラウンドを見ながらそう言った。思わずドキッとした。まさか先輩探してましたなんて言えない。

「え、と…ハルを、見てました。」

とりあえずだるそうにしながらも意外と上手いハルを見つけたので使わせてもらった。

「へぇ〜、彼氏⁇」

「はぁ⁉︎」

まさかそうくるとは思わなかったので無意識に声をあげた。先輩も驚いてるようだ。

「はぁって俺先輩なんだけど…」

「え、嘘…幼稚園児かと…」

「おい」

あははと笑ってしまった。なんでいつもこうなるんだろう。でも楽しいからいいか。

「フットサルどうだった⁇」

突然そう聞かれて、先輩を凝視する。唐突過ぎやしませんか。

「1位、でしたよ。先輩はサボリですか⁇あ、もしかして実はド下手で試合出してもらえないと…」

「バカ、逆だし。」

1位になったことに触れられたくなかったから、わざと言った。決勝戦であたし達に負けてブスと言ったのは先輩のクラスの人達だから。あっちの見方をされるのはなんか怖かった。

「見てろ」

そんな声が聞こえると高瀬先輩はグラウンドで走り回ってた誰かとハイタッチをして腕まくりをした。目が離せなかった。こんなにも男の人を綺麗だと思ったのは初めてだった。


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