もう一度
苺先輩
苺先輩の話を聞いたのは体育祭が終わって二日経った頃だった。
「マイ先輩⁇」
「そう、イチゴって書いてマイって読むんだって。しかも結構可愛いらしい」
「へぇ〜」
昼休み、亜琉愛と話してるとミカちゃん達が来た。そしてなぜか急に苺先輩の話をし出した。
「へぇ〜って‼︎涙ちゃん、危機感じなよ‼︎元カノだよ⁉︎」
「いや、だからあたし好きじゃないっ…」
「そんな冗談言ってる暇ないよ‼︎ね⁉︎」
とミカちゃんは他の二人に同意を求める。うんうんと頷く二人にため息をこぼす。
もう何を言っても意味がない気がする。亜琉愛も隣で楽しそうに笑ってるだけだし。
そのあと散々苺先輩の危険性を教え込まれ、嵐は去って行った。
「そんなに苺先輩ってかわいんかね⁇」
「お願いだから、もうやめようよ…」
亜琉愛がくすくすっと笑うとチャイムがなって静かになった。
助かった、と心からチャイムに感謝する。