もう一度


だけどその日の放課後、事件は起きた。

亜琉愛は病院だから、車で帰るらしくあたしは1人で帰ることになった。
とぼとぼと歩いてると、

「涙ー‼︎」

という楽しそうな声が聞こえた。上を向くと高瀬先輩が笑顔でこっちを見てた。

「1人ー⁇」

というナンパのような言葉に笑いながらこくっと頷く。すると先輩はおいでーと言って見えなくなった。

なんなんだよ…もう。
特別だって思っちゃうじゃんか。
期待しちゃうじゃんか。

とそこまで思って、気づく。

「何を…⁇」

誰もいない所に質問をする。あたしは何を期待してるの⁉︎や、や、やば…い。
大変な事に気づいた気がする。

《あたしは特別⁇》

そんな考えが頭の中でぐるぐるする。どうしよう。今までそんな事思って………なくなかったような気がしてきた。

ドキドキしてたし⁉︎
恥ずかしかったし⁉︎

今思う。最初から惹かれてたんだ。

あたし、高瀬先輩の事、好き…。


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