冷凍保存愛
コーヅは冷たい目で小堺を睨むと、部屋の中を吟味するように眺め、どこかに見落としが無いかを確認し、この家の中には特におかしなところ、例えば人を隠しておけるようなスペースや嫌な臭いなどがないことがわかると、強羅に『無いね。もう出よう』と声をかけた。
おもむろに大きな咳を立て続けにすると、トイレのドアが開く音がして羽都音が」姿を現した。
「小堺君ごめんね、ありがとう」
「大丈夫?」
「なんとか」
「お前どうせ変なもんでも食ったんだろ」
「何それ失礼な!」
強羅の品のない冗談に憤慨する羽都音は小堺にお礼を言い、ちらりとコーヅの方を見た。
二人は目が合うとにっこりと笑い合い、頷いた。