冷凍保存愛

「犯人はまだ分からずじまいだね」

「まだ」

「ねえやっぱり怖すぎるんですけど」

「私だって怖いよ。だからそこんところを調べてる。もう少ししたら何か見つかるかも知れないんだ」

「どういうこと」


「小田原先生が手伝ってくれるって言ってたから」

「へえ、そういうの詳しいんだ」

「知り合いに記者がいるんだって」


 なるほど。と頷いた羽都音はそのコネを充分に利用して独自に捜査しようと企んでいる道子を見て、彼女は本当に好奇心旺盛で顔が広いというか、行動的なんだなと感じた。

 なんせ、羽都音とコーヅと強羅は同じようなところをぐるぐる回ってるだけなのに、道子は一人でいろいろなことを見つけ出してきている。


「だから先生が協力してくれたら早いよ」

「うん。早く解決したい」

「あんたはコーヅ君とやらのためにね」

「うん。そう。早く探し出す」

「頑張りますわ」

「お願いします」





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