冷凍保存愛
「でね、夏休みだし、何かと丁度いいでしょ」
「俺は全然丁度よくない」
「じゃ、明日からでいい?」
「俺の話聞いてなかったの?」
一応強羅に聞くことはするけど、自分の考えで事を進めていくコーヅに半ば呆れる形で合意し、明日から失踪した生徒の聞き込みに行くことで話がまとまった。
「にしてもクッソ暑いな」
「無理やり海について行けばよかったね」
「あほか」
コーヅの思いがけない発言に強羅は『あほか』の一言で一蹴し、明日は何人にコンタクトできるかを考えていた。
できる限り多く会っておきたい。一日でも早い方がいい。
「じゃ、そういうことで僕は帰るけど」コーヅが席を立つ。
「もう?」
「時間、あるからさ」
「ああ、そうだったな」
「じゃ、明日」
「おう」