冷凍保存愛
「どう思う?」
「わからない」
コーヅと強羅は今日も一日中かけて聞き込みをしていた。
失踪者リストを昨夜遅くに道子から手に入れていた強羅はそれをもとにその友人知人に情報を聞き出した。
道子はここ何年かで行方不明になっている高校生を割り出し、名前とどこの高校かっていうのを調べ上げてきた。
しかしながら全員とまではいかず、この地域近辺で起こった三つの事件のことだけだった。
それでも何かしら足がかりになる。
道子が手に入れた情報をもとに強羅の家で紙に書きだして話を詰めているところだ。
「にしても道子ちゃんて行動早いね。こんな短期間にここまで調べ上げるなんて大したものだね」
「羽都音情報だとどうやらジャーナリストになりたいらしいぞ。だからこういうのは時間との勝負だってはりきってるって」
「へえ。どっちかっていうとパパラッチ向きだと思うけど」
「ん? 俺には違いがよく分からんがお前も結構言うね。ま、それを道子ちゃんに言ったところでニヤッと笑われて終わるとおもうけど」
「たぶん。褒め言葉にしか聞こえないんだろうね」
「え? そうじゃないの?」
「そうだよ」
「あいかわらず掴めない野郎だな」
「ただ、共通点があるよね」
「共通点?」
強羅は再度失踪者に目を落とした。