冷凍保存愛
「そんなの簡単」
「簡単?」
「守衛が帰る時間までここにいて、それから出ればいい」
「何時なのそれ」
「たぶんこのまま帰ると思うけど」
道子の言葉通り、しばらくすると守衛と思われる男性2人が学校から出て行く姿が校長室の窓から見えた。
「さ、帰ろう、お腹すいちゃった」
道子のこの大胆さが自分にも少しばかり欲しいと思う羽都音は、緊張で疲れ、何も言わずに道子の後をついて学校を出た。
「ねえ、ここで何か見つけることできたの?」
「大収穫、すごいスクープになる」
「なにそれ教えて」
「まだ秘密。全部繋がったら真っ先にあんたに教えるから、まずは私が整理するのを待つとしてよ」
「またそれー。ん、でも分かった。最初に教えてよ」
「もちろん」
「よし、」行こうか
腰を低く落とし、音をさせないように歩いて職員室を後にした。