冷凍保存愛

 道子と連絡が途絶えたきりとなった。

 羽都音がいくら連絡をしても道子は電話に出ることはなかった。

 家に行っても、ちょっと出掛けてくると言い残したまま帰っていないと母親が言っていた。

 道子の家族も警察に捜索願を出しているが一向に行方は分からないということだ。

「道子ちゃんと最後に話したのってどんな話だっけ」

 コーヅは腕組みをしたままうろうろと歩いている。

「最後に話したのは、確か……学校に忍び込んで、」

「お前学校に忍び込んだの? 聞いてねーけど」

 横から強羅が割り込んだ。

「言ってないもん」

「言ってないもんじゃねーよ」

「まあ、いいじゃん、きっと道子ちゃんに言われて一緒に行ったんだろうし」

「そうなのか?」

「……そう」

「で?」

 職員室で起こったこと、校長室に入って起こったこと、道子がいつの間にか校長室にいたことをざっと話した。

 それから、帰り道に道子が言っていたこと、

『スクープをみつけたの。だから私ちょっと調べるからもしかしたら3、4日連絡つかなくなるかも。でも大丈夫だから。それに夏期合宿にも出ないとならないし。ちょい忙しくなってるだけだから心配しないで』

 と言われたことを伝えた。

 大丈夫だと言われた手前、無理に探し回るのもどうかと思い、伝えるのが遅くなってしまった。



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