冷凍保存愛

「そっか。よかった。じゃ、一緒にいられるね!」

 そんなドキッとすることを言われたら何て答えていいか分からなくなる。

 屈託のない笑み。

 着ているワンピースと同じく真っ白い心の持ち主だ。

 俺が彼女を守る。この笑顔をなくしたくない。誰にも渡したくない。

 何があっても、彼女を守りたい。

 腹の底からそんな熱い気持ちが沸き上がった。


「来週のキャンプ、行く前に買い出し行くでしょう?」

「ん? ああ、そうだね」

「じゃあさじゃあさ、私マシュマロ買っていきたい」

「はっ? キャンプにマシュマロ?」

 意味が分からなかった。だって、マシュマロってお菓子……。

「なんかねー、最近の女子キャンプでね、マシュマロ焼いたりとかチョコレートフォンデュやるの流行ってるんだって! 女の子も来るでしょう? 絶対喜ぶー」

「そ、そうなんだ。わ、分かった。じゃ、マシュマロ買ってこ」

 唐突に突拍子のないことを言う。

 そんなところも嫌いじゃなかった。

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