冷凍保存愛

 今でいうところの中性的なイメージで、かっこいいとも捉えられるし、きれいとも捉えられる。
 長めの髪はナチュラルブラウンでさらりと額にかかっている。 

 シャープな顎に高い鼻、長い睫に魅せられる瞳は、妖艶。

 そんな今までに見たこともないような美形の男子が目の前にいたら、誰でも緊張してしまうだろう。

「羽都音ちゃん」

「はいっ」

 おもわず裏返った声にコーヅはくすっと笑い、その妖艶な瞳にきらりと光を宿した。


「ここ、君の席なんだよね? 確認なんだけど」

「そう。そうそうそう。ここにそう書いてあるから」


 黒板に貼ってある座席表を指で指すとコーヅはそこに目を向け、ああと小さくまた呟いた。


 そんなところから見えるなんてなんて視力の良さ! びっくりしている羽都音に気遣うことなく一人納得するように頷いたコーヅはシャツの襟をすっと指で流した。




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