冷凍保存愛
「羽都音ちゃん、明日も会えるかな?」
「は? ん? え? どこで?」だって、ここあなたの学校じゃないよね?
「ここで」
「ここ? ここって、ここ?」
「面白いね。そう、この教室で。同じ時間」
「えっと……でもだって」大丈夫かなそれ。
「心配しなくて大丈夫。話がしたいだけだから」
にっこり微笑まれたら頷くしかない。
てことは、明日もまた学校に忍び込んでくるわけだ。
ドキドキ跳ね回る心臓を抑え、コクリと頷いた。
「よかった。じゃ、また明日」
極上の笑みを羽都音に投げかけると、手を振り、後ろのドアから出ていった。
羽都音が教室の壁にかけられている時計を見ると、8:10。そろそろ皆登校してくる頃だから帰ったんだろう。
あ、ちょっと待って、と廊下に急いで出たときには既にコーヅの姿はどこにもなかった。