冷凍保存愛

「羽都音ーーーー!!!」


 起こし、揺さぶる。

 気絶をしているのか脱力状態で力が入っていない。


「羽都音、羽都音!」


 羽都音の肩をきつく掴んだ強羅はがくがく揺さぶった。

 その手にふわりと冷たい感触。


「君ほんと野蛮だね。それじゃよけい羽都音ちゃん傷ついちゃう。ほんと君に任せて大丈夫かなあ。僕心配になってきたよ。どいて」


 強羅を横にどかせ羽都音を床に寝かせた。首元を指で触れ、


「大丈夫。まだ殺してないみたい。よかった間に合った。失神してるだけだ。無事だよ」


 ほっとする強羅の後ろで影が動いた。


 反射的に避けるとそこに小田原が突っ込んできた。



「おまえー。おおれの計画を台無しにする気か!」



 泡を吹きながら怒り狂う小田原の手にはスタンガンが握られていた。



「まじかよ。それきっついわ」



 小田原と間合いをとる強羅は羽都音を守るようにその場を動かない。



「おおおまえは残念だけど未来には行けないんだよ。そこへは選ばれた人だけが行けるんだ。ききき君は無理だよ。ああきらめてくれ」


 視点が定まっていない小田原は泡を飛ばしながら話す。

 口元は不自然に緩み、着ている白衣はボタンが取れ肩がずり落ちている。

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