冷凍保存愛
「羽都音を殺したらおまえの研究だかなんだかそのクソみてえなやつがダメになんだろ。スタンガンなんか当ててみろ。死ぬぞ」
「ううう動くんじゃない!」
羽都音を引きずりながらカプセルの方へ寄り、羽都音を抱きかかえた。
「おい! 離せよ!」
強羅が走ろうとしたその時、後ろから腕を掴まれその動きが塞がれた。
強羅とコーヅが同時に振り返ると、腕を掴んでいるのは、
「「小堺」」
「君たち何してんの? 先生の研究の邪魔してるなら僕許さないよ」
「離せタコ!」
小堺の手を簡単に振りほどいた強羅に、
「おっと。僕は君とは違ってバカじゃないからね」
笑う口元、見せる手には強羅が蹴り飛ばしたスタンガンが握られていた。
「動かない方がいいよ」
「遅いぞ小堺! どこ行ってた!」
「すみません先生」
「そいつらを見張ってろ! これからおまえにも私の研究の一部を見せてやる」
「はい」
「小堺てめえ、こいつとグルだったのかよ」
「グル? 先生に失礼じゃないか。僕は先生のアシスタントさ」
「クソのアシスタントとはなあ」
「いいよ。どんなに挑発しても僕は乗らないよ。ほら、あっち行って」
スタンガンをかざし、強羅をコーヅのところまで歩かせた。