冷凍保存愛
「…………やっとここに入れたと思ったら、やっぱりこんなことになってたのか」
強羅、コーヅ、小田原が割り込んできた声の主の方へ顔を向けると、小堺が一つのカプセルの前でカプセルを抱くようにして顔を覗き込んでいた。
「小堺、何をしている! おまえはそいつらを見張ってろと言っただろ! 俺のところで勝手なことをするな!」
怒鳴る小田原を無視し、
「探し当てた。やっと見つけたよ。やっとだ。ほんとに……ごめんな……」
抑揚のない声色。カプセルの上から顔を撫でる。カプセルの上に涙を落とした。
「何を言っている! 小堺! おまえは俺の言うことだけ聞いてりゃいいんだ! 早く立ってそいつらを見ていろ!!!!」
「ごめんな。ごめんな。ごめん…………俺……ほんと……何もできなかった」
「小堺!!!!!!」
両手で目がしらをぎゅっとおさえ、プロファイルを確認した。
やはりそこには『塔ノ沢あたみ』と書かれていた。
「先生……」
「さっさと見てろ!!!!」
「これ、覚えてませんか?」
小堺がポケットから出してきたのは、髪留めだ。