冷凍保存愛

 無言で羽都音の肩に手を置いた強羅の目からもまた大粒の涙があふれていた。

 コーヅの入っているカプセルにすがるように泣き叫ぶ羽都音につられ強羅もカプセルに手を置き、共に泣いた。

 小堺はあたみのカプセルの横に座り、カプセルの上から顔を撫で続けていた。

 同じように大粒の涙を拭くこともなく垂れ流し、いつまでも謝り続けていた。

 広い室内には三人の泣き叫ぶ声しか響いていない。




 遠くの方でサイレンが鳴っているのが聞こえる。

 きっとここから出て行った道子が呼んだものだろう。





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