冷凍保存愛
「あはは、やっぱ面白いね。嬉しいよそう言ってもらえて。僕も同じだよ」
外からの光で陰になっているコーヅの顔は、本当に嬉しそうに笑っているように見えて、つられて羽都音も笑い、緊張が一気に緩んだ。
「人を探してるんだ」
「人を探してる?」
「そう。その人はね、ここの席、つまり羽都音ちゃん、君の席に座ってたんだ」
「そう……なんだ。ってえっと、といういうことは……私間違えてる? 席? もしかして」
「そうじゃない。一年ちょっと前の話」
「ってことはあのもしかしてまだ」
「まだ見つかってない」
「うそ」
「そう。だから、ここに机が置いてあるってことは、もしかしたら戻ってきたのかもしれないって思って。昨日ここに鞄も置いてあったし」
「そっか。それでここに立ってたんだね。その人を待ってたんだね。なるほど。電話は? 電話もメールも通じないの?」
「そうだね。全部だめだった。だから、探すのを一緒に手伝ってくれないかな?」
「私?」なぜ自分が探すのを手伝うのか、それをお願いされるのか考えても答えが見つからない。
「そう。お願いできないかな。僕の大切な人なんだ」
「大切な人?」