冷凍保存愛
今朝、コーヅとの約束通り学校に向かった羽都音は校門の前にいるコーヅに気づき、笑顔で手を振った。
しかし、コーヅは昨日と同じ、いや、いつもと同じ制服のまま。
羽都音はワンピースにスニーカーというアクティブな恰好にポニーテールというラフなスタイルだ。
なんで休みの日にまで制服なんだろうという疑問を口にするのは今日のところはやめておこうと思った。
あまり深く知り合っているわけでもないのでもう少し仲良くなるまではつまらないことは言わない様にしようとコーヅの笑顔を見てそう思った。
まずは誰もいない教室に行き、自分の席に向かう。
コーヅの妹はこの席に座っていた。
しかし、それは去年のことで失踪してから今までこの席には机を置いていなかったということだ。
それが今年からここにもまた席を作ることになったということは、妹が見つかったということだろうとコーヅは考えた。
しかし、ここに座っていたのは羽都音であって妹じゃなかった。
何かがおかしいと感じたコーヅは独自に捜索することを決め、早朝の学校に忍び込んでは何か手がかりになるものはないのか探っていた。