冷凍保存愛
おもむろに段ボールに手を伸ばし中を覗き込んだ羽都音の目に入ってきたのはかなり前のプリントだ。
コピー用紙の端に印字されているのは昨年の日にち。
その日にちが印字されているプリントの束をどさっと机の上に置き、段ボールの奥の方へ手を突っ込んだ。
下の方は冷たく、何年もそこに置きっぱなしになっているのか紙の端が黄ばんでいた。
「羽都音ちゃん何してるの」
「うわ!」
いきなり声をかけられて振り返ればコーヅがいて、目を大きくして羽都音を見ていた。
「何してるの? 触らなくていいって言ったのに」
「大丈夫だと思う。たぶん。この机誰も使ってないし埃だらけだったから。でね、見つけたの。去年の日付のプリント」
コーヅに机の上に乗せたプリントの束を指さすと、そこに視線を移し、じっとそこに書かれている内容を読んでいた。