冷凍保存愛
「やっぱ新聞部入るんだ。ジャーナリストになるのが道子の夢だもんね。でもコーヅ君なんて言うかな」
「大々的になんてしないわよ」
「本当?」
「今はまだね」
「ああ」
「それが解決したらさ、その工程や経緯をまとめて発表したいの。だから、大げさにやっちゃうともしかしたら誰かにこのネタ取られるかもしれないじゃん? だから、陰から私も協力するから。例えば、その失踪事件に関してどんなことがあったのかとかさ、きっと私の方が探るのうまいし早いよ」
確かにそうだ。
道子は中学のころから校内新聞を作ったり、何か催しがあるときは率先して協力したり、いろいろなものを作ったりする子供だった。
この高校の新聞部からジャーナリストの道へ入った人も少なくないという。
道子は高校一発目の事件としてこれに便乗しようとした。
どこをどう当たったら謎が解けるか、犯人は一体誰で、何の目的があったのか、そしてコーヅの妹はどこにいるのか。
探るのは得意分野なので、ひとまずここは道子の力も借りることにした。
今度コーヅ君に会ったらそこのこと告げるから、それまでは保留にしてね。
と道子に付け加えたが、道子は適当に相槌を打つだけで、気持ちは既に違うほうに向かっていた。