冷凍保存愛
羽都音と道子は久しぶりに朝から出かけていた。
と言っても、高校生の小遣いでできる遊びは限られている。
そもそもアルバイト禁止の高校なので、親からもらう少ない小遣いでやりくりしなければならないのだ。
遊びに行く場所は専ら駅前繁華街、カラオケかコーヒーショップ、ファミレスで話すくらいしかない。
それでも二人で会って話ができれば場所なんてどこでも構わなかった。
勉強のことは勿論、お互いのクラスのこと、友達のことから始まり、羽都音は道子に今になってもクラスに友達ができなかったことを素直に話すと、
『別に私がいるからいいんじゃない? 来年特進に来れば問題ない』とあっけらかんと言われ、そんな頭が私に備わってたらとっくの昔にそうしてるわと間髪入れず言い返す。