冷凍保存愛
「で、そのコーヅ君とはその後どうなの?」
「特には」
「ダメなやつだ」
ふーっとため息なんかつきながらドリンクを飲み干した道子はとんと軽い音を立ててグラスをテーブルに置いた。
羽都音はコーヅと12日以来会っていない。
電話番号もメールも聞いていないし、そもそも妹を探す手伝いをするだけの関係なのかもしれないという思いもあり、一歩先へ踏み出せずにいた。
あれだけ雰囲気のある人だ。もしかしたら彼女の一人や二人いてもおかしくない。
いるかどうかも聞いてないのだから本当のところは分からないままなのだが。
会うのは学校。しかも教室のみ。
今度会うときには少しだけコーヅのことも聞いてみようと思い、残りのジュースをぐいっと飲み干した。
飲み終わったのを確認して道子が席を立ち、それにならい羽都音も席を立つ。