冷凍保存愛

「とにかく、なんであいつがこんなことしたのか突き止めてやるからね」

「そこ?」

「あんたはコーヅ君を手伝いな。私はあいつの裏の顔を探ってやる」

 たぶん今そんなに忙しくないしやることもないんだろうなと心の中で思うが口にするのは我慢した。

 道子が口に出したコーヅという名前に今まで忘れかけていたコーヅの笑顔が頭の中に入り込んできた。

「そうだ、今度いつ会えるんだろ」

「今度会ったらちゃんと連絡先交換しなさいよ」

「うん」

 二人は虫かごの中のバッタが逃げ出したのを少し離れたところから確認すると、明るい通りに戻り、そのまま人ごみに紛れて気持ちを切り替えて休日を楽しむことにした。




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