冷凍保存愛

「久しぶりだね羽都音ちゃん。もう会えないのかと思ったよ」

「そんな。あの、でも、私もそう思ってた」

「はは。冗談だよ。いきなり消えたりしないから大丈夫」

「え、冗談? なんだ、はは、ちょっと安心したかも。ゴールデンウィークは楽しんだ? 私連絡先聞いてなかったから何もできなくて」

 自分からいきなり図々しくて恥ずかしいことを言ってしまった自分の言葉を消し去るように言葉を被せた。


「ゴールデンウィーク? ああ、そうだったね」

「まさか忘れてたとか」

「まさか」

「だよね? ゴールデンウィーク忘れるなんて、ないよね」

 一瞬はてなマークが頭に浮かぶが、気のせいだと振り払い、今聞いた突拍子もない言葉に連絡先を聞いたことなどすっかり忘れてしまった。

 休み中は何をしたのか、何をして過ごしたのかを簡単に話すと、コーヅは休みの間も学校に来ていろいろと探っていたということだ。

 自分のことを待っていたのかは聞けなかったけど、一生懸命何かを探していたのだけは確かだ。

 協力すると言ったのに何もしないでのほほんと遊んでいた自分に嫌気がさしたが、コーヅはそんなことは気にもしていない。


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