冷凍保存愛

 休みの時にまでお願いなんてしないよ。これは僕の問題で、羽都音ちゃんは手伝ってくれてるんだから、それだけで嬉しいよ。と目を細めた。

 考えてみれば、妹は失踪していて今も見つかっていない。

 それなのに休みを満喫するなんて、なんて私は最悪なんだという罪悪感は消えることはなく、今日から、いや、今からでも遅くない、コーヅの力になれるようにがんばろうと思った。


「妹がいなくなったのは、冬なんだ」


 だから正直なところ、今生きているのかどうかはわからないけど、妹を確認するまではどこかでちゃんと生きていると信じたいと唐突に言ったコーヅに、頑張って探そう、手がかりも少しずつ見つかってるし、ほら、髪留めとか。と励ます言葉をかけ、そこで道子のことを思い出した。


 新聞部に所属している彼女を頼れば何かしら情報が聞き出せるかもしれない。

 それをコーヅに伝えると、コーヅはそれは嬉しいけど、この学校の生徒じゃない僕が忍び込んでるのが分かったらそれこそニュースに取り上げられるよ。


 と笑いながら言い、首を横に振った。


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