冷凍保存愛
約束の時間に今度はちゃんと学校の前にいたコーヅにほっとし、二人はそこでざっと昨日のことを話した。
どうして放課後来られなかったのかを話したコーヅは羽都音に本当にすまなかったと謝り頭を下げた。
勿論、髪留めが小堺の手に渡ったことも伝えた。
それから二人は小堺がバイトをしているというところへ行くことになった。
あのあとコーヅは小堺をずっとつけ、学校帰りにやはりアルバイトをしていることを突き止め、そして働いている時間帯も確認した。
「でもね、うちの学校アルバイトは禁止なんだ。そんなことしたらきっと停学とかになっちゃうはず」
「なんにでも例外があるんだ」
「どういうこと」
「彼は例外ってこと」
はぐらかされたけどそこは小堺の個人情報だからなんだと納得した。
コーヅに連れられて来てみたら、そこはこの前道子と来た店の裏手。
小堺が虫かごを蹴っ飛ばしていたところだった。