冷凍保存愛

「もしかしたらこの家の中に僕の妹がいるかもしれないし」

「まさかの監禁とかされてるのかな。だったらどうしよう」

「それだとしたらまだいいんだけど」

「……そそそ、そうだよね。まずはここから確認しよう。様子を見てみよう」

「そうだね」

 羽都音もコーヅの言った意味に少なからずも怒りが湧き、眉間に皺を寄せながら家の中をじっと睨んだ。

 監禁なんてしてたら許さない! そんな気持が溢れてきた。

 カーテンの隙間から人が行ったり来たりするのが見えるがそれが小堺なのかはたまたこの家にいる誰かほかの人なのかは見分けられなかった。

 時折声が聞こえるがよく耳を傾ければ、小堺の声に混じって女の子の笑い声が聞こえてくる。

 しかしその声は少女のものであってコーヅの妹のものではなかった。

 その時、カーテンの隙間に人影が現れた。


< 73 / 225 >

この作品をシェア

pagetop