冷凍保存愛
コーヅと羽都音はそれぞれ咄嗟に植木の後ろに隠れ声を潜めた。
みつかったか? と思い、息を殺し身動き一つ取らずにじっと待った。
窓が開けられ、中から小学生くらいの女の子が一人出てきて網戸を開け、物干し竿にかけられていたタオルを取り、そのまま家の中へ走って戻った。
その顔には幸せそうな笑みが浮かんでいた。
部屋からはバターの香りがしてきた。小堺が料理をしているんだろう。
時折少女に話す声が開けられ窓から放たれ、しっかりと聞こえてくる。
ごはんができるからテーブルの上を片付けてとか、飲み物を出してとか、その声も楽し気だった。
女の子は言われた通りにテーブルの上を片付けたり拭いたりお皿を並べたりしている。