冷凍保存愛
コーヅと羽都音は顔を見合わせた。
どうなっているのかをお互いに確認しようとしたが、答えは今のところ出てこなかった。
しばらくそこにいて様子を伺っていると、食事を作り終わった小堺が皿を二つ手に持ちテーブルの上に置く。
その足元には少女がまとわりつき、二人とも笑顔で何かを話していた。
「はい、じゃ手を合わせて…いただきますしような」
という小堺の声を聞いて、コーヅと羽都音は静かにその場を去り、お互い無言で来た道を戻って行った。
しかしこの時、室内の隅に高校生と思しき女性の写真があることに二人は気づかなかった。
小堺の家に誰かがいるとは到底思えなかった。