冷凍保存愛

「でだ、お前なんで羽都音と一緒にいるんだよ」

「……君こそ羽都音ちゃんとどんな関係があるわけ?」

「幼馴染」

「それだけ? それなら悪いんだけど邪魔しないでくれないかな」

「ふざけんな。今すぐ羽都音から手を引け」

「君に言われる筋合いはないと思うけど」

「俺が誰だか分かってんだろうな。それにおまえ、」

「さっきも学校で会ったしね」

「ああ、あれ、お前だったのか」

「やっぱり君はここに来ると思った。後追ってきたでしょ?」

「羽都音のにおいがついてたからなあ」

「ねえ、忠告なんだけど、それ、羽都音ちゃんに言わない方がいいよ。絶対気持ち悪がられるから」

「おまえに言われる筋合いはねえ」

「ま、いいけど」

 二人はしばらくにらみ合うように相手の出方を待ったがどちらも一線引いているので話はなかなか見え始めない。

 コーヅはちらりと羽都音の方を見ると、ちょうどゴミ箱に捨ててこっちへ戻ってくるところだった。

 鼻から小さくため息を漏らすと、自分から口を開いた。

 妹を探していること、それからなんで羽都音と一緒にいるのかも。


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