冷凍保存愛

「小堺って特進だろ? 今後の進路とかどうするか決まってる?」

「は? 何言ってんの? 僕たちまだ高校入ったばかりじゃん、そんなの分からないよ」

「はははは、そ、そうだよな」

 怪しまれた強羅は助けを求めるべくコーヅの方をちらっと見たが、コーヅは細い目をして強羅を眺め、『口、ぜんぜんうまくないね。もっとまともなこと話してよ』と小声で言うと部屋の中をまた歩き出した。

 コーヅに向けて拳を振りあげるがそんな強羅を見て眉間に皺を寄せた小堺は持っていた麦茶を無造作に強羅の前に置いた。

「わりいな」

「彼女、大丈夫かな」

「彼女じゃないよ」

 コーヅが横から言い返した。

「彼女じゃ、ない。幼馴染」

「ふーん、そう」

「おい、なんだよ今の」

「別になんでもないよ。彼女じゃないっていうから、そうなんだって言ったまでだよ」

「面倒くさい奴だな」

 何を言われているのか分からなかった小堺は強羅を眺め、この人はどんな人なんだろうかと考えを広げていた。



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