恋ときどき愛

1話＊出会い

私は春波真白。

この春から家を離れ、一人暮らしを始める

高校一年生だ。

私が通う「私立木ノ実学園」はいわゆる

超進学校であり金持ち学校だ。


そう…私は世間で言う「お嬢様」というやつだ。

幼少時代からそのレッテルを貼られ、

幼稚園では孤立。

小学校ではいじめ。

中学生ではいじめはなかったものの、
周りにいる子達は「春波」という家柄しか見ていない子達ばかりだった。

私には心の寄りどころなんてなかった。

「普通は家だ」と答えるのかもしれない。

でも私にはその家が一番苦痛であった。

私は両親を早くに亡くし、

祖母に育てて貰っていた。

祖母は祖父が残した会社を守ろうと必死だった。

祖母はその会社を私に次がせるために
私に強く当たった。

家の者も時期当主にいい顔をしようと私に取り付いてきた。

ある者は私と恋仲になろうと、

ある者は私を利用しようと…


そんな所で生きてきた私は…

いつの間にか人が信じられなくなった。