死が二人を分かつとも

弥代くんが、何かしたんじゃないのか。

そんな怖さに蝕まれて離れてしまったけど、すぐにそれでは辻褄が合わないと片隅で思う。

どこかの屋上。彼が傷つき、私の手が血に汚れていた。

彼は自殺で地獄に来た。他の生徒を殺したとしても、ここに来る。

でも、私は?
私は何をして、ここに来たんだ。

彼と同じ自殺にしても、原因が分からない。友人もたくさんいて、満足行く高校生活。彼だって、学校の有名人になるほどみんなから慕われていたのに。

考えれば考えるほど、私の怯えが穴だらけの極論からなることを知る。

黒に覆われた記憶に、疑心暗鬼を持ってしまっていた。弥代くんは、ずっと私のことを想っていてくれたのに。

下がる足が止まる。
謝りと共に踏み出そうとしーー

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