片想いのユクエ
学年が違くても下駄箱だけは場所が一緒。
だからこうやって登下校の時たまに見かけることができる。
先輩はお友達と近くの水飲み場で水をかけあってあそんでいる。
友達といる時の先輩は本当に楽しそうな笑顔をみせる。
一瞬、息することさえも忘れるほどの。
「か、かっこいい…」
思わず口に出してしまう。
「ほんと、大好きだね〜」
えみがニヤニヤしながらからかってくる。
「だって…私のヒーローだもん」
「はいはい。でも、そんなに好きなのに話したい、とか思わないの?」
「うーん。私は、見ているだけでいいかな…」
「えー」
私の答えにえみは納得いかないって顔をする。