片想いのユクエ
「…私、愛理から橘くんとったりしてない」
勇気を振り絞り、震える体で声を出す。
「はぁ?」
そんな私を彼女たちは鋭い目つきで睨みつける。
「じゃあなんで橘があんたのこと好きになってんの?どうせ色目でもつかったんでしょ」
…知らない。私、そんなことしてない。
「使ってない…!ねぇ、愛理…信じてよ」
嫌いだったって言うけど、小さい頃からずっと一緒に笑いあって来たでしょ…。
ねぇ、信じてくれるよね?
「アタシ、あんたのこと友達なんて思ったこと一度もないから」
愛理のその言葉を聞いた瞬間、
私は心が壊れる音がした。