その鎖で縛りつけて
*要side
なんだか今日の俺はおかしい
いつも以上に苛立っている
「おい、コーヒー」
それを感じ取ってなのか何なのか、使用人たちがいつもより怯えている感じがする
それも気に入らない
「要様、どうなされたのですか
昨日は眠れましたか?」
「…中川」
そうだ、元はこいつのせいだ
詩織がいないのは、絶対こいつが絡んでる
昨日の夜だって、その前の夜だって
詩織がいなくなってからの夜は、全然眠れない
今日こそ、さっさと仕事終わらせて詩織のことを調べてやろう
とはいえ、仕事も最近は全然進まない…
詩織がいても、別に特に仕事がはかどっていたわけではないが…
あの日の夜に、無理やりでも止めるべきだった
そうしたら、まだここに詩織はいただろうか