その鎖で縛りつけて
むむむ…と考えていると急に誰かに声をかけられた
「ここ、座っていい?」
そんなに人は多くないからここじゃなくてもいいのに
しかも私の座っているカウンター席はガラガラだから
わざわざ私の隣じゃなくても…と思ったけれど断るのも感じ悪いなと思い、言った
「…どうぞ」
その時に初めて顔を見たけれど
可愛い感じの男の人だった
栗色の髪はふわふわという感じで無造作に整えられている
歳的には要さんと変わらないんじゃないかな?
「初めて見る顔だけど、ここに来るの初めて?」
「あ、はい…
知り合い(?)に教えてもらったんです」
「そうなんだ
僕はここの常連でね、よく来るんだ
特にこれくらいの時間だと人が少なくて
とても落ち着くんだよね
それにここのマスターの料理、どれも美味しいからさ」
「はい!とっても美味しいですよね」
「癖になるんだよね
ここのオムライス食べたら、もう他の店のなんか食べれないんだよ」